品質の良い製品を安定的に作り続けるためには、効率良く工場を稼働させることが重要です。一方、長時間作業は従業員の負担につながることもあるので、適切なシフト管理を行う必要があります。勤務形態ごとの基本的な特徴を理解したうえで、自社に合ったシフトを組んでみましょう。
今回は、勤務タイプ別の特徴と運用のコツを解説します。
工場の勤務形態は大きく分けて3パターン
円滑にシフトを組むために、まず勤務形態についておさえておく必要があります。工場の勤務形態には、日勤、夜勤、交代制の3種類があるので、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
1. 日勤
「日勤」は昼間の勤務がメインの勤務形態のことです。
たとえば9:00~18:00(休憩1時間を含む)という形で働いてもらいます。土日を休みとしているケースが多く、新しく仕事を始めたい主婦(主夫)などに人気です。
2. 夜勤
「夜勤」は夜から早朝にかけて働く勤務形態のことです。
たとえば、22:00~7:00(休憩1時間を含む)といった形となります。22:00~5:00までの勤務では、通常の時間帯よりも25%の割増賃金を支払うことが労働基準法で義務づけられているので、しっかり稼ぎたい人向けの勤務形態といえるでしょう。
3. 交代制
「交代制」はあらかじめ決められた勤務パターンをローテーションする勤務形態のことで、二交代制と三交代制があります。
二交代制の場合は日勤と夜勤を交代で回し、三交代制の場合は日勤、準夜勤、夜勤を交代で回していきます。交代制の休日には、2勤2休(2日働いて2日休む)、3勤3休、4勤2休など、さまざまなパターンがあります。
一般的に1日の労働時間が長い2勤2休や3勤3休は休日が多く、労働時間が比較的短い4勤2休は休日が少ないのが特徴です。
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工場でよく見られる交代制勤務シフトのパターン
交代制勤務はシフト勤務とも呼ばれており、多くの工場で採用されています。ここでは、二交代制と三交代制の違いや代表的な3つの勤務パターンについてご紹介します。
二交代制と三交代制の違い
二交代制は日勤と夜勤でのみ構成されており、働く側にとって生活のリズムを整えやすいという特徴があります。その反面、勤務時間が長くなってしまい残業が発生しやすい点には対応が必要です。
特に、工場を24時間稼働させる場合は、日勤と夜勤では休憩時間を含めて12時間ずつの勤務体制となります。労使間で36協定を締結したうえで、残業時間について月45時間・年360時間のルール(時間外労働の上限規制)を守らなければなりません。
一方、三交代制は勤務時間が長くなりづらく、残業も少ないのが特徴です。日勤、準夜勤、夜勤の3つの勤務時間帯をローテーションすることになります。三交代制はシフトが組みやすく、工場を24時間稼働させる場合に向いています。ただ、働く側にとっては勤務時間帯が変わりやすいため、体が慣れるまでに時間がかかるという点に注意が必要です。
1. 2 直 2 交代制のパターン
二交代制をさらに細かく分類すると、2直2交代制、3直3交代制、4直3交代制などに分けられます。
「直」とは全体を分けるグループや班のことを指しており、2直2交代制ならば全体を2つのグループに分け、一定のサイクルで日勤、夜勤を二交代制でローテーションする形となります。24時間稼働する工場や繁忙期などは残業が多くなりがちなので、従業員のケアをきちんと行うことが大切です。逆に、残業が多いためしっかり稼げるという面は、人材募集のアピールポイントにもなります。
2. 3 直 3 交代制のパターン
3直3交代制は全体を3つのグループに分けて、日勤、準夜勤、夜勤を三交代制で回していく体制です。
24時間工場を稼働させることを前提に、土日を休みとするケースが多くみられます。2直2交代制と比べて、深夜の割増賃金が発生しやすいものの、残業は比較的少ないとされています。
3つの時間帯で構成されていますが、1週間単位では同じ時間帯に働くことになるため、三交代制の中では働きやすいパターンといえるでしょう。
3. 4 直 3 交代制のパターン
4直3交代制は、4つのグループに分けて三交代制で働いてもらう仕組みです。
土日も休まずに工場を24時間稼働させる場合に多く見られます。働く側にとっては残業が発生しづらいというメリットがある反面、連休が取りづらいというデメリットもあります。
工場のシフト管理をうまく運用するコツ
工場のシフト管理を円滑に行うためには、スキルに基づいた班分けと適切な勤務パターンづくりが重要です。シフト管理に自動化ツールを導入するメリットも含めて解説します。
勤務パターンと班分けを決めておく
工場の稼働効率を高めるためには、勤務パターンの決定と班分けが重要です。また、生産計画や工場のライン計画に合わせてシフト表を作成する必要もあります。
さらに、ローテーションをあらかじめ組んでおくことで、働く側も次のシフトがどうなるのかを予想しやすいというメリットもあります。
経験者と新人のバランスを考える
チームを編成する際に大事なポイントは、従業員ごとのスキルや経験を考慮する点です。新人ばかりでシフトを固めてしまうと、ミスや安全管理上の問題が生じやすくなります。「チームに1名は経験3年以上の人を配置する」など、事前にルール化しておくことが大切です。
必要な人数を確保していればうまく仕事が回るというものではないことを肝に銘じ、経験者と新人の割合が最適なバランスで保たれるよう意識してメンバーを割り当てましょう。
シフト管理の自動化ツールを活用する
従業員を多く抱えている場合、全員のスキルや経験、休みの希望を考慮してシフトを作成することは、管理職にとって大きな負担となりがちです。Excelなどで管理していても、変更した内容をほかの従業員と共有しづらく、手間が増えるといったデメリットも考えられます。
このような問題を解決し、スムーズなシフト調整と管理を行うために、自動化ツールの導入を検討してみましょう。自動化ツールを使えば、従業員が提出したシフト希望をリアルタイムで反映でき、シフト表の作成も自動化できます。
管理者はシフトの調整作業を行うだけで済むため、業務負担の大幅な軽減につながることでしょう。クラウド型のツールなら従業員と情報を共有しやすいので、柔軟なシフト管理も実現するはずです。
まとめ
効率良く生産ラインを稼働させるには、勤務形態の特徴をおさえたうえで、シフトを作成する必要があります。交代制の3つのパターンにはそれぞれ違いがあるので、自社に合った勤務体制を整えることが大切です。とはいえ、従業員一人ひとりのスキルや休みの希望を考慮したシフト作成は、管理者にとって大変な作業となります。
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