近年、ビジネスにおいて「クラウドファースト」が広まっています。これは企業が導入、更新するシステムの運用基盤として“クラウドサービスの活用を第一とする考え方”です。
シフト管理システムにもその流れは広がりつつあり、従業員のシフト管理システムをクラウドで一元化することで、これまでよりもシフト表作成・管理の時間の削減することが期待できます。今回は、従来の課題やクラウド化のメリット、今注目されているクラウド型シフト管理ツールなどをご紹介します。
従来のシフト表作成・管理の課題
クラウドサービスを活用せずにシフト表を作成、管理するのはとても大変です。手書きによるシフト表作成ではどうしても見づらくなってしまいますし、修正が重なれば何度もやり直さなければなりません。当然、ミスが出る可能性も高くなります。
一方、エクセルでシフト表作成、管理をしている企業は多いでしょう。エクセルであれば、操作に慣れると見やすいシフト表が作成できるうえ、手書きに比べると作成時間も短縮できます。しかし、エクセルによるシフト表は複雑なマクロ設定を要します。シフト管理者しか設定を把握していないエクセルのシフト表は属人化されてしまい、例えばシフト管理者が変更になれば後任にとって大きな負担となります。
手書きやエクセルによるシフト表作成、管理において最も大きな課題は「公平性」です。シフトは人間関係やスキル、従業員の生活スタイルなどが大きく関わるもの。「自分だけ土日の休みが少ない」、「本当は早番NGだけれど、誰もいないから仕方なく」といった従業員の不平不満は、シフト管理者にとって悩みのタネです。
シフト管理クラウド化のメリット
このようなシフト管理における「時間がかかる」、「ヒューマンエラー」、「特定の人しか管理できない」、「公平性が保てない」といった課題を一気に解決するのがクラウドサービスです。
「予定人員」や「従業員の希望」などを予め設定することができるクラウド型シフト管理ツール。設定された情報をもとに、自動でシフト表を作成してくれます。
これにより、従業員の予定や希望収集、シフト表作成、修正、共有といった工程を劇的に削減。分かりやすいダッシュボードやチュートリアルが搭載されているツールも多く、誰もが簡単に操作できます。また人がシフト表を作成するとなると、どうしても心情が反映されてしまいがちですが、自動作成システムであれば公平性も保てます。
クラウド化と聞くと、大掛かりな変革を想像する人もいるかもしれません。ところが、シフト表作成・管理のクラウド化は非常にスマート。多くのサービスでは、インターネットが使用できる環境であれば、すぐに運用を始めることができます。
クラウド型シフト管理ツール比較10選
シフト表作成・管理システムの効率化をサポートするため、様々な企業がクラウド型シフト管理ツールをリリースしています。その中でも、多くの事業者から選ばれている10ツールをピックアップしてみましょう。
1. 勤務シフト作成 お助けマン
みどりの窓口を始めとるするJRグループ関連の情報システムに携わる、JRシステムが開発した自動作成ツールです。
早番や遅番など、記号を割り当てるシフト表向け「勤務シフト作成 お助けマン【Day】」と、パートやアルバイトに対して時間を指定するシフト表向け「勤務シフト作成 お助けマン【Time】」の2サービスを用意。多くの大手企業も導入しており、法令を遵守する安心のシフト表作成、管理システムの構築に定評があります。独自の最適化エンジンで公平性も実現。公共インフラで培われたセキュリティ対策もポイントです。
【URL】https://www.otasukeman.jp
2. jinjer
「人事を経営のセンターピンへ」をコンセプトに掲げるjinjer。企業の人事データを一元管理するためのHRプラットフォームとして、10,000社以上が登録をしています。様々なプロダクトと料金プランを用意しているのも特徴です。
3. ジョブカン
出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理の3つを組み合わせて利用することができるクラウドサービスです。ジョブカンシリーズは勤怠管理のほか、「ワークフロー」や「経費精算」、「労務管理」などがあり、必要な機能のみを選んで利用できるのもポイントです。
【URL】https://lms.jobcan.ne.jp/
4. CLOUZA
シンプルな操作、初期費用無料、マルチデバイスという3つのメリットを持つCLOUZA。従業員は、スマートフォンから簡単に出勤や退勤などの打刻ができます。その他、リアルタイム管理やシフト管理、給与計算ソフト連携、位置情報確認など機能も豊富です。
【URL】https://clouza.jp/
5. TIME CARD
給与計算、休暇管理、シフト管理、日報、プロジェクト管理など、勤怠の枠を超えた管理サービスです。様々な管理機能を搭載しているため、従業員を一つのサービスで一元管理できるのがポイント。働き方改革の対策として「労務アラート」や「有給取得義務化対応」も実装しています。
【URL】https://timecard.smaregi.jp/
6. AirSHIFT
リクルートグループが手掛けるシフト管理サービスです。シフト管理者用の「AirSHIFT」と従業員用アプリ「シフトボード」があり、双方の視点からシフト表作成や管理をスムーズに。アルバイトスタッフを多く抱える、飲食業の導入実績が多数あります。
【URL】https://airregi.jp/shift/
7. Optamo for Shift
統計解析を専門とする株式会社モーションの「組み合わせ最適化アルゴリズム」を応用したクラウドサービス。1日単位のシフトをAIが割り当てるスタンダード版と、日々のタスクをAIが割り当てるマルチタスク対応ハイエンド版の2つを用意しています。
【URL】https://www.optamo.jp/shift/
8. oplus
ショートメッセージで従業員を招待することが可能です。従業員自身が基本情報を登録するため、シフト管理者の負担を最小限に抑えることができます。また、一つのアカウントで複数拠点にも対応。スタッフ数が100人を越えるまで、基本機能はすべて無料です。
9. シフオプ
シフトの希望収集、作成、共有、調整以外に他店舗からヘルプを募ることができるツールです。メールや電話で一人ひとりに確認するのではなく、簡単な操作で他店舗の従業員にも一括連絡が可能。欠員の可視化や人件費の最適化などもサポートしています。
10. SHIFTEE
アルバイトスタッフを多く管理する複雑なシフト表に対応した、現場志向のツールです。従業員の希望などはスマートフォンで確認可。複数拠点にも対応しており、エリア表示で全店舗のシフト状況をリアルタイムでチェックすることができます。
【URL】https://www.shifteeapp.jp/
シフト作成・管理は新システムで業務効率向上へ!
ひと口にクラウド型シフト管理ツールといっても、様々なものがリリースされています。導入する際に重要なのは、自社に合っているかを見極めること。例えば、元々エクセルでシフト表を作成していた企業であれば、エクセルをベースにしたインターフェースのシステムを導入するのが吉。違和感なく移行することができるでしょう。
シフトに関する業務を効率化させることは、シフト管理の負担を軽減させるだけでなく、管理者の本来の業務に集中させることにつながります。つまり、シフト業務の改善は、本業の生産性向上とも言えるでしょう。低コストで、スマートに導入可能なクラウド型シフト管理ツールを“今すぐできるクラウドファースト”として検討してみてはいかがでしょうか。
またJRシステムが提供している「勤務シフト作成お助けマン」は、無料で2か月間、トライアルをすることも可能ですので、是非お気軽にお問い合わせください。
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