小売業の多くは、毎日朝早くから夜遅くまで営業しています。特に、スタッフの人数が多い職場ほど雇用形態の種類が多様となるため、シフトの作成が大変に感じるのではないでしょうか。さらに、営業時間が長くなるほどシフトのパターンも増えるので、シフトの作成はより複雑になってしまいます。
シフト管理者の悩みは、シフトの作成に多くの時間を取られてしまい、その他の業務を行う時間がなかなか確保できないことではないでしょうか。そのような悩みを解決するなら、シフト管理システムの導入を検討してみましょう。
この記事では、シフト管理システムを導入した場合のメリットやデメリット、システム選びのポイントなどについて説明したうえで、小売業におすすめのシフト管理システムについて説明します。
- 小売業のシフト管理の特徴・課題
- 小売業にシフト管理システムを導入するメリット
- エクセルで作成することとの違い
- システム選びのポイント
- 小売業で利用できる、おすすめの管理システム10選
①勤務シフト作成お助けマンDay
②勤務シフト作成お助けマンTime
③Oplus
④スマレジ・タイムカード
⑤SHIFTEE
⑥Airシフト
⑦シフオプ
⑧らくしふ
⑨R Shift(アールシフト)
⑩はたLuck - まとめ
小売業のシフト管理の特徴・課題
小売業のシフト管理の特徴は、毎日の売上や客数を予測したうえでシフトを作成する必要があることです。
簡単な例で説明すると、小売業の場合は平日の客数が比較的少なく、土日や祝日の客数が多くなる傾向があるため、平日に出勤するスタッフの人数を抑え、土日や祝日に出勤するスタッフの人数を増やすことが基本となります。
しかし、単に平日に出勤するスタッフの人数を少なくしてしまうと、場合によっては平日でありながら客数が増えてしまう日もあります。そのような事例をあげると、平日に新聞の折り込み広告を入れた場合、広告の効果によって来店する客数が増えやすくなることです。
また、平日の日中は客数が少ない反面、夕方以降になると仕事帰りに店に立ち寄る人が増えやすくなるため、平日であっても混雑することがあります。そのため、小売業の現場でシフトを的確に作成するためには、店員としての経験に基づいてどのような日に混雑しやすいかを予測しなければなりません。混雑する日を予測することが難しい場合、シフト管理者の中には「常にスタッフを多めに配置すればいいだろう」と考える人もいることでしょう。
ここで注意したい点は、各店舗においては人件費の予算があらかじめ決められていることです。そのため、人件費の予算内に収まるようにスタッフを適切に配置することが、シフト管理者の腕の見せどころといえます。
しかし、店舗での経験が比較的短いスタッフがシフト管理者になった場合、どのような日に混雑するかを十分に理解していないことがあるため、予期せぬタイミングで客数が増えてしまい、明らかにスタッフの数が少ない状況になってしまうこともあるでしょう。
小売業のシフト管理について課題をあげるならば、ある日の売上や客数を的確に予測すること、そして、その予測に基づいてスタッフを適切に割り振りすることといえます。
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小売業にシフト管理システムを導入するメリット
小売業にシフト管理システムを導入するメリットは、シフト作成にかける時間を削減できることです。シフト作成には、スタッフから希望日のとりまとめを行い、それが済んでからようやくシフトの作成に取りかかることができます。シフト作成には、人件費予算を超えないようにしながら、店舗が混雑しそうな日や客数がさほど多くない日を予測したうえでスタッフの割り振りを行います。
ただスタッフの希望する日時にシフト表を埋めるだけではありません。特定の日に経験の浅いスタッフだけが出勤することのないよう、各スタッフのスキルを把握したうえで、経験の長い人と浅い人をまんべんなく出勤させる配慮や、スタッフ同士の相性なども考慮する必要があります。
これらの条件をすべて考えながらシフトを作成すると、時間がどれだけあっても足りないと感じることでしょう。その作業コストを節約できるのが、シフト管理システムです。サービスの多くは、シフト表の「自動作成機能」がついているため、シフト管理システムを利用すれば作成に多くの時間をかけずに済みます。
シフト管理者の多くは、社員の教育や売場を展開する段取りを決めること、店内の作業のフォロー、売上の集計など、さまざまな作業を抱えています。シフト作成の時間が短くなることによって、他の作業にかける時間を増やせるため、シフト管理者の残業の削減につながります。
また、シフト管理システムで日別、時間帯別などのシフト表を確認できるようになります。特定日時の人員の過不足や労働負担など、これまで漠然としていた現場の状況を客観的に把握できるようになるため、シフト表作成の見直し・改善に役立てることができます。
スタッフにとっても、無理やムダのない勤務を作成できるようになることで不平等感が軽減され働きやすくなり、モチベーションアップ、離職率の低下、サービスの向上などの効果が期待できます。
エクセルで作成することとの違い
シフト管理システムを導入していない職場においては、シフトをエクセルで作成することが多いのではないでしょうか。シフト管理システムでシフトを作成する場合、エクセルでの作成と異なる点は、短時間で質の高いシフトを作成できる点です。
その理由は、多くのシフト管理システムには「自動作成機能」が備わっており、一定の条件を与えておくと、その条件に基づいたシフトを作成できるためです。例えば、シフト管理システムを使い、前年の売上額を参考にしながら必要なスタッフの人数を決めたうえでシフトを自動的に作成していきます。
また、エクセルでは担当者がスタッフそれぞれの条件や希望を考慮しながら割り当てを行いますが、シフト管理システムの自動作成機能には「条件登録」できるサービスが多いのも特徴です。勤務パターンや経験年数、役職、スキルなどを登録すると、その条件に合うようにシフトを組むため、誰でも短時間で最適なシフト表を作成することができます。
そのほか、エクセルでシフトを作成する場合、事前にスタッフのシフト希望を取りまとめる必要があります。その作業が手間だと感じるシフト管理者は多いことでしょう。
その点、シフト管理システムの中には、店舗の端末とスタッフのスマホやタブレットと連携しているものがあり、メッセージ機能が利用できるものもあります。その機能を利用すれば、スタッフはシフト希望をスマホで申請でき、シフト管理者はシフト希望の内容を簡単に取りまとめられるため、シフトの作成を効率的に行えるようになります。
システム上で行うことができれば、ヘルプ要請や指定した日時の応募も簡単になるほか、転記の必要もなくなりミスの軽減にもつながります。さらに勤務時間の集計も自動で行われるものが多く、そのまま勤怠管理や給与計算などに反映できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
エクセルで行うシフト管理は、条件や希望にもとづく人員配置や調整作業が担当者のスキルで行われることが多いため属人化しやすくなります。一方で、シフト管理システムなら担当者が変わっても一定のフォーマットを維持したシフト表を作成することができます。
システム選びのポイント
シフト管理システムを選ぶ場合は「シフト作成をより効率的に行う」という観点を持つことが効果的です。例えば、月間のシフト作成に加えて、1日分のシフト作成も効率的に行いたい場合は、両方のシフト作成を効率的に行えるシステムが適しています。それには、シフト表の自動作成機能がついたシステムを選ぶとよいでしょう。
またシフト作成の機能だけでなく、勤怠管理の効率化も図りたいなら、勤怠管理と連動したシフト管理システムを選んでみましょう。シフト管理者や勤怠管理者の業務が効率化するため、会社全体でのコスト削減につなげられます。
さらに、シフト管理システムに売上管理機能が搭載されていれば、前年の売上額を参考にしながら、その日ごとに必要なスタッフの人数を割り出せるため、混雑具合に応じたスタッフの割り当てが可能となります。
シフト管理システムには、一般業界向けのものと特定の業界に特化したものがあります。一般業界向けのものは、誰もが使いやすいように必要最低限の機能を備え、ユーザーがカスタマイズできるプランが多く見受けられます。業界に特化したものは、その業種特有の管理体制やシフト構成、商習慣などに対応した機能がすでに含まれているものが多くなります。まずはどのような機能が必要かを検討し、自社の体制や状況などから最適なサービスを選んでいきましょう。
見やすさ、使いやすさなども管理システムを選ぶ重要なポイントになります。システムが複雑なものは覚えるのに時間がかかり、時間もコストも大きくなりがちです。シンプルで直観的に操作できるものを選ぶとよいでしょう。
そのほかにも、共有機能があるものをおすすめします。シフト表を印刷するのではなく、それぞれのスマホなどで確認できるものであれば、変更があったときにもすぐに反映できるため連絡ミス、連絡漏れなどの防止にもつながります。
シフト管理システムでは、それぞれのサービスが独自の機能を展開しています。これらの機能をうまく活用しながらシフト作成の効率化を図りましょう。
小売業で利用できる、おすすめの管理システム10選
シフト管理システムも、さまざまなものがありますが、その中でも小売業向けにシフトを管理するシステムとして、特におすすめできるものを紹介します。それぞれのシフト管理システムの特長を理解したうえで、自社にとって最適なシステムを選んでみましょう。
※各サービスのホームページで確認できた情報を掲載しています。正確な情報については、各サービスの運営会社までお問い合わせください。
① 勤務シフト作成お助けマンDay
勤務シフト作成お助けマンDayは、鉄道情報システム株式会社(JRシステム)が提供するシフト管理サービスです。小売、サービス、製造、コールセンター、ホテル、物流、介護、医療など実績多数。
複雑な勤務体系や従業員の希望を反映し、自動でシフト表を作成します。一覧性、操作性に優れており、シフト表作成・管理業務の標準化を実現します。
勤務回数や勤務並びを考慮することができ、働きやすさや公平性を考慮したシフト表を作成することができます。
- サービス名:勤務シフト作成お助けマンDay
運営会社:鉄道情報システム株式会社(JRシステム)
ホームページ:https://www.otasukeman.jp/day
② 勤務シフト作成お助けマンTime
勤務シフト作成お助けマンTimeは、鉄道情報システム株式会社(JRシステム)が提供するシフト管理サービスです。小売、サービス、飲食、物流など実績多数。
単にスタッフからの勤務希望を集約するだけでなく、どのスタッフにいつ休みを与えるか、どのスタッフに何時から何時まで勤務してもらうか、どの時間帯に休憩を与えるべきかを、勤務条件に従い、自動で考えてシフト表を作成してくれます。
自動作成機能により、大幅に省力化を実現でき、スタッフも満足する公平なシフト表が誰でも簡単に作成することが可能です。
- サービス名:勤務シフト作成お助けマンTime
運営会社:鉄道情報システム株式会社(JRシステム)
ホームページ:https://www.otasukeman.jp/time
③ Oplus
oplus(オプラス)は、oplus株式会社が提供するシフト管理システムです。シフトの要請、提出、管理やエクセル連携、カレンダー連携などを基本機能として備えています。最大の特長はこれらの基本機能であれば100名までの利用は無料であることです。また、有料プランを利用する場合は自動シフト表作成、複数拠点対応などにも対応できるようになります。
- サービス名:oplus(オプラス)
運営会社:oplus株式会社
ホームページ:https://opluswork.com/
④ スマレジ・タイムカード
スマレジ・タイムカードは株式会社スマレジが提供するはクラウド型の勤怠管理サービスで、給与計算、休暇管理、日報、プロジェクト管理などが統合されています。また、シフト管理機能も持っていて、このサービスひとつで従業員を一元管理できます。
- サービス名:スマレジ・タイムカード
運営会社:株式会社スマレジ
ホームページ:https://timecard.smaregi.jp/
⑤ SHIFTEE
SHIFTEE(シフティ)は、株式会社システムサポートが提供する「SHIFTEE(シフティ)」はクラウド型のシフト管理ツールです。作成出来るシフトのパターンに制限がないため、どのような業種でも対応できるサービスとなります。
- サービス名:SHIFTEE(シフティ)
運営会社:株式会社システムサポート
ホームページ:https://www.shifteeapp.jp/
⑥ Airシフト
Airシフトはリクルート社が提供するシフト管理サービスです。シフト表の作成はもちろん、スタッフとのやりとりにはチャットを用いて行うことができ、細かな調整業務もラクになります。スタッフはいつでもどこでもシフトの提出・確認ができ、スタッフにも喜んでいただけます。中小の小売業での導入事例が多く掲載されています。
- サービス名:Airシフト
運営会社:株式会社リクルート
ホームページ:https://airregi.jp/shift/
⑦ シフオプ
シフオプはリクルート社が提供するサービスです。店舗内のスタッフに対してだけでなく、他店舗のスタッフに対しても実施可能なため、従業員の稼働率を上げ、労働力不足対策とすることができます。また、欠員の可視化による採用の最適化や、人件費のモニタリング。就業規則等のアラート機能による労務コンプライスの強化も期待できます。
- サービス名:シフオプ
運営会社:株式会社リクルート
ホームページ:https://www.shifop.jp/
⑧ らくしふ
らくしふは株式会社クロスビットが提供するシフト管理サービスです。LINE、LINEWORKSを使い、簡単に希望を提出することができます。自動リマインド機能もあるので、提出忘れを防止することも可能。時間帯毎に適正な人数や人件費を設定し、スタッフさんの過不足を見ながらシフトが作成できます。また、複数店舗を一元管理でき、勤怠管理システムとのデータ連携機能も用意されています。
- サービス名:らくしふ
運営会社:株式会社クロスビット
ホームページ:https://rakushifu.jp/
⑨ R Shift(アールシフト)
R Shift(アールシフト)はオーエムネットワーク株式会社が提供するシフト管理サービスです。当サービスはシフト表だけでなく、ワークスケジュール機能で作業割り当ても自動で作成します。店舗間でお互いのシフト表を確認し、人員を融通しあうことができるので、企業全体としての生産性向上を実現します。
- サービス名:R Shift(アールシフト)
運営会社:オーエムネットワーク株式会社
ホームページ:https://www.rshift.jp/
⑩ はたLuck
はたLuckは株式会社HataLuck and Personが提供する店舗マネジメントサービスです。情報共有機能、データマネジメント機能、シフト管理機能等を有していて、シフトの提出、回収、作成はもちろんのこと、業務(タスク)の割り当てや労働基準法のルール設定なども可能です。
- サービス名:はたLuck
運営会社:株式会社HataLuck and Person
ホームページ:https://hataluck.jp/
まとめ
小売業のシフト管理者にとって、シフト作成は悩みの種といえます。エクセルを利用すればシフトの作成がある程度効率化されるものの、できあがったシフトを店舗のオペレーションのしやすさやスタッフにとっての働きやすさなどの観点から見直してみると、シフトの修正が必要な部分が多いと感じてしまうこともあるでしょう。
今回は、小売業でのシフト管理システムの導入検討において、具体的におすすめするサービスのご紹介をはじめ、導入におけるチェックポイントなどをご紹介しました。
本記事で記載している内容も参考にしながら、是非、自社に合うシフト管理システムを導入し、店舗運営の効率化を図っていただければ幸いです。
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