交替勤務は、労働者を交替で配置し、時間帯ごとに業務を継続するシフト制度です。この記事では、交替勤務の概要や採用されている職種、さらにはそのメリットや課題について解説します。
交代勤務と交替勤務はどう違う?
「交代勤務」と「交替勤務」は、読み方が同じであり、意味も似ているため、どちらを使っても正しいと思われることがあります。
しかし、実際には「交代」と「交替」には異なる意味があります。以下では、交代・交替のそれぞれの意味と、仕事において使うべき言葉について解説します。
交代は一回限り代わる
「交代」という言葉は、一度限りの代替を指します。「交代勤務」という表現が用いられても、一般的に違和感を覚えることは少ないでしょう。
しかし、「交代」という言葉は、役割や地位が一回限りで変わる場合に用いられます。「選手交代」や「世代交代」、「社長交代」といった例が挙げられます。
交替は何度も代わる
一方、「交替」という言葉についてです。この表現は、「交替勤務」や「昼夜交替」「交替運転」などのように、時間帯や日によって、定期的に人員が入れ替わって業務を行うという、繰り返しやローテーションの意味合いが強い言葉です。
例えば、「シフトを交替する」という表現も、この漢字で表されるのが適切です。言葉の意味的に正しいのは「交替」なのですが、「交代勤務」という表現もよく使われています。基本的には同じ意味で使用されることが多いようです。
仕事において使うのは「交替勤務」
仕事において使用される「交代」と「交替」を比較すると、前者は一度の代替を意味し、「選手交代」や「社長交代」のように、一回限りの変更を指します。
一方、「交替」という言葉は「交替勤務」や「昼夜交替」などの表現に見られるように、ローテーションで入れ替わって業務を遂行するイメージがあります。
したがって、仕事における「コウタイ」という言葉は、通常は「交替」の意味合いが強いと考えてよいでしょう。
交替勤務の働き方や取り入れられている職種
「交替勤務」という言葉があるように、労働者が労働時間を交替しながら業務を遂行する働き方があります。実際の職場においては、どのように交替勤務が運用されているのか、また、どのような職種で採用されているのかについて、以下で解説します。
2交替、3交替などがある
実際の働き方としての交替勤務は、従業員が複数の時間帯・シフトで働くという働き方を指しています。例えば、2交替制や3交替制などの勤務時間帯が一般的に採用されています。
2交替制・3交替制などの交替勤務シフトは、24時間体制や夜間の対応が必要となるような業種・企業でよく見られます。
一般的なオフィスワークでは、主に9時~17時、10時~18時といった時間帯での勤務が一般的ですが、社会の維持において、2交替制・3交替制の労働形態が現代では不可欠とされています。
取り入れられている職種
実際に2交替制・3交替制などの交替勤務が採用されている職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
例としては、以下の職種があります。
- ・病院・医療業界
・警察・救急・消防・警備業界
・製造業界
・コンビニ
・ホテル
・飲食業界
・交通業界
これらの職種は、交替勤務が一般的に行われています。病院や医療業界、警察、救急、消防などの職種は、交替勤務の代表的な例です。突発的な通報や事故、火災などに備えて常に24時間待機が必要なため、交替勤務が採用されています。
このほか、製造業界においては、工場の生産ラインが24時間稼働していることがあり、トラブルの対応が必要になる場合もあります。そのため、交替勤務が行われます。
また、交通業界では、バス、飛行機、鉄道などの運行が24時間行われるため、交替勤務が必要とされています。
交替勤務のメリット
交替勤務のメリットには、従業員と企業の両方に多くの利点があります。まず、従業員は、交替勤務を採用していることで、通常の労働時間に縛られない柔軟な働き方が可能となり、ワークライフバランスの確保に役立ちます。
そして、企業も交替勤務を導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- • カスタマーサービスの強化
• 残業代や法定福利費の削減
• 設備の効率的な利用
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
カスタマーサービスの強化
交替勤務の採用は、カスタマーサービスの向上につながります。一般的な勤務時間である9時~17時、10時~18時などの勤務時間のみで企業の運営を行っている場合、夜間の対応は困難です。そのため、顧客のニーズに合わせたサービス提供が制限されます。
例えば、カスタマーセンターやコールセンターなど顧客と直接接する業種では、交替制を導入することで土日・祝日や深夜の問い合わせにも対応可能になり、顧客満足度の向上につながります。
残業代や法定福利費の削減
夜間や深夜、休日にも業務を進めなければならないという場合、従業員に残業や休日出勤を依頼することがあります。しかし、残業や休日出勤には残業代や休日手当、深夜労働手当などの割増賃金が発生します。
さらに、深夜や休日に労働時間を確保することで、従業員の労働時間が長くなり、割増賃金による社会保険料の負担も増加する可能性があります。
交替勤務を採用することで、各従業員の労働時間を固定でき、残業や休日出勤を抑制することができるかもしれません。
設備を効果的に使える
交替勤務の課題
交替勤務には多くのメリットがありますが、同時にいくつかの課題も存在します。代表的な課題として、以下の点が挙げられます。
- • シフト管理が煩雑に
• 社員の健康管理カスタマーサービスの強化
これらの課題について、具体的に見ていきましょう。
シフト管理が煩雑に
交替勤務の採用に際しての課題の一つに、シフト管理の複雑化が挙げられます。従業員のシフト作成や管理は、固定時間制に比べて大幅に管理者の負担が増加します。特に、休日の付与は注意深く行う必要があります。
3交替制では、一定の要件を満たせば継続して24時間の休日を与えることで法定休日として扱われますが、2交替制では暦日での1日の休暇が必要です。これに加えて、労働基準法の規定を遵守するための適切な知識も不可欠です。
さらに、24時間365日のシフトを組む必要があるため、シフト作成の手間も増えるというデメリットも考慮する必要があります。
社員の健康管理
交替勤務においては、2交替制や3交替制のように夜間や深夜に勤務するケースが生じるため、従業員の生活が不規則になりやすいという課題があります。
法令によると、直近6ヶ月を平均して1ヶ月あたり4回以上の深夜勤務がある場合、健康診断を受診させる必要があります。
しかし、法令による義務だけではなく、従業員に対する健康面でのフォローが大切です。人事・労務担当者は、夜間勤務で生活リズムが逆転する等のため健康管理に注意する必要があります。
まとめ
この記事では、交替勤務についての概要から、具体的に採用されている職種、メリットや課題について解説しました。
交替勤務には、柔軟な働き方ができるという従業員側のメリットに加え、サービスを途切れることなく提供できる点や、設備を効率的に活用できる点は企業の側のメリットもあります。
一方で、シフト管理や社員の健康管理などの課題もあります。交替勤務の採用にあたっては、課題点を解決しつつ、自社の実態に即しているかなども判断しながら検討を進めるとよいでしょう。
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