
毎月の勤怠締め作業、タイムカードの集計やExcelへの転記作業に追われていませんか?「計算ミスがないか不安」「法改正への対応ができているか自信がない」 そんな悩みを抱える経営者や労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
2019年以降の働き方改革関連法の施行により、企業にはこれまで以上に客観的かつ正確な労働時間管理が求められるようになりました。勤怠管理の不備は、残業代未払いや法令違反といった労務リスクにつながる可能性があります。
そこで注目されているのが「勤怠管理ツール」です。本記事では、勤怠管理ツールの基礎知識から、システムの主な種類、導入のメリット・デメリット、そして失敗しない選び方までを解説します。
この記事を読めば、自社の勤怠管理における課題を整理し、適切なツール選定に向けた判断材料を得られるはずです。
- ・勤怠管理ツールは、打刻〜集計〜休暇管理を自動化し、Excel転記や計算ミスを減らして工数と労務リスク(未払い残業・法令違反)を防ぐ仕組み。
- ・選定の最重要ポイントは「価格や多機能さ」よりも、自社の勤務形態・就業規則(シフト・変形労働・端数処理など)に再現できるかどうか。
- ・まずは自社ルールを棚卸しし、必要機能を絞ったうえで2〜3社を比較し、無料トライアルで操作性とサポートを確認するのが失敗しない近道。
- 勤怠管理ツールとは?基本の役割とできること
- 勤怠管理ツールの主な種類
- 勤怠管理ツールでできること(具体機能)
- 勤怠管理ツールを導入するメリット
- 勤怠管理ツールのデメリット・注意点
- 勤怠管理ツールの費用相場
- 失敗しない勤怠管理ツールの選び方
- まとめ|勤怠管理ツールは「自社に合うかどうか」で選ぶことが重要
勤怠管理ツールとは?基本の役割とできること

勤怠管理ツールとは、従業員の出退勤時刻や休憩時間をデジタルデータとして記録し、労働時間や残業時間を正確かつ自動で集計するための仕組みのことです。
従来のタイムカードやExcelによる管理では、転記作業や計算ミスが発生しやすく、担当者の負担も大きくなりがちでした。勤怠管理ツールは、集計の自動化によって担当者の工数を削減するだけでなく、記録の客観性を担保することで法令違反リスクを低減する役割を担います。
勤怠管理ツールの基本機能
勤怠管理ツールには、大きく分けて「打刻」「集計」「管理」の3つの基本機能があります。これらが連携することで、勤怠管理業務全体の効率化が図れます。
打刻機能(記録する)
PCやスマートフォン、ICカードなどを使って出退勤を記録します。最近では、GPSによる位置情報の記録や顔認証などの本人確認機能を備え、不正打刻の抑止に配慮したツールも増えています。
集計機能(計算する)
打刻データをもとに、労働時間、残業時間、深夜労働などを自動計算します。法定労働時間の超過が見込まれる場合に、管理者へアラートを出す機能を備えたツールもあり、月末の集計負荷や確認作業を軽減できます。
管理機能(活用する)
有給休暇の申請・承認ワークフローや、シフト作成、給与計算ソフトへのデータ連携などを行います。複雑な就業規則にも対応でき、帳票作成の手間を大幅に削減可能です。
このように、勤怠管理ツールは単なる打刻ツールではなく、労務管理全体を支える仕組みとして活用されています。
勤怠管理システムとの違い
「勤怠管理ツール」と「勤怠管理システム」は、実務上は同じ意味で使われることが多い言葉です。あえて区別する場合、機能の範囲や提供形態によって使い分けられる傾向があります。
一般に「ツール」と呼ばれる場合は、打刻や簡易的な集計に特化したシンプルな仕組みを指すことが多く、導入しやすさが特徴です。一方、「システム」と呼ばれる場合は、打刻から集計、法改正対応、他システム連携までを含む包括的なサービスを指すケースが見られます。
現在は、クラウド型サービスの進化により、手軽さと高機能性を両立した勤怠管理ツールが主流となっています。用語の違いにこだわるよりも、自社の運用に必要な機能が備わっているかを重視するとよいでしょう。
勤怠管理ツールの主な種類

勤怠管理ツールは、提供形態によって大きく「クラウド型」「オンプレミス型」「無料・簡易型」に分けられます。
それぞれ費用や運用方法が異なるため、自社の働き方やセキュリティ方針に合った選択が重要です。導入後に「使いにくい」「コストが見合わない」といったミスマッチが起きないよう、それぞれの特徴と向き不向きについて詳しく解説します。
クラウド型の勤怠管理ツール
クラウド型は、インターネットを通じて利用するタイプで、現在最も多く導入されています。サーバー構築が不要なため、初期費用を抑えやすく、短期間で利用を開始できる点が特徴です
オフィス、自宅、外出先など、場所を問わず打刻・管理ができるため、テレワークや複数拠点を持つ企業とも相性が良いでしょう。
また、労働基準法の改正などにも、ベンダー側が自動でアップデート対応してくれるため、運用負担を減らしたい中小企業に特におすすめです。
オンプレミス型の勤怠管理ツール
オンプレミス型は、自社のサーバーにパッケージソフトをインストールして運用するタイプです。クラウド型が普及する前は、この形態が一般的でした。
このタイプが選ばれる主な理由は、セキュリティとカスタマイズ性の高さにあります。社内ネットワーク内でシステムを完結できるため、外部への情報漏洩リスクを減らすことが可能です。
そのため、金融機関や官公庁など、セキュリティポリシーが厳しい組織で選ばれることがあります。
一方で、初期費用が高額になりやすく、サーバーのメンテナンスや法改正対応のためのシステム改修を自社で行わなければならないため、専任のシステム担当者が必要になる点は考慮しておきましょう。
無料・簡易型の勤怠管理ツール
コストを一切かけずにデジタル化を始めたい場合に候補となるのが、完全無料のツールや、Excelの無料テンプレートを活用する方法です。
最大のメリットは、やはりコストがかからないことです。「まずは紙のタイムカードをやめたい」「従業員数が5名以下で予算が取れない」といった創業期の企業にとっては、手軽に導入できる選択肢となります。
しかし、無料版には限界があります。「データ保存期間が短い」「利用人数に制限がある」「法改正に対応していない」「サポートが受けられない」といったデメリットがあるため注意が必要です。
本格的な労務管理が必要になった段階で、有料ツールへの乗り換えを検討する前提で利用するのがよいでしょう。
勤怠管理ツールでできること(具体機能)

勤怠管理ツールには、日々の出退勤時間を記録するだけでなく、複雑な労務管理を効率化するための多彩な機能が搭載されています。
働き方改革関連法の施行により、企業には「客観的な記録による労働時間の把握」や「有給休暇の確実な取得」などが求められるようになりました。
こうした背景から、最新のツールでは打刻、自動集計、シフト作成、休暇管理、申請・承認ワークフロー、そして各種アラート機能など、コンプライアンスと業務効率化を両立させる機能が網羅されています。
打刻管理(PC・スマホ・ICカードなど)
正確な労働時間を把握するための入り口となるのが「打刻機能」です。 PCやスマートフォン、タブレットはもちろん、社員証などのICカードや、顔認証・指紋認証などの生体認証を用いた打刻など、企業の環境に合わせて最適な方法を選べます。
特に近年重視されているのが「不正打刻」と「打刻漏れ」への対策です。 例えば、スマホ打刻とGPS機能を組み合わせれば「いつ・どこで」打刻したかが記録されるため、直行直帰やテレワーク時の不正を防げます。
また、出勤予定時刻を過ぎても打刻がない場合に本人や管理者に通知を送るリマインド機能があれば、月末にまとめて修正する手間や、打刻忘れによる集計ミスを未然に防げるでしょう。
労働時間・残業時間の自動集計
日々の打刻データをもとに、労働時間や残業時間をリアルタイムで自動計算できるのが、ツール導入の最大のメリットです。
所定労働時間、法定外残業、深夜労働、休日出勤などを自動で判別して集計するため、給与計算時の人的ミスをゼロに近づけられます。
さらに重要なのが、労務リスクの回避です。「36協定」で定められた残業時間の上限規制を超えそうになった際、管理者と本人に自動でアラートを出す機能が備わっています。
「月末になって集計してみたら、法律違反のラインを超えていた」という事態を防ぎ、健全な労働環境を維持するために、この自動集計とアラート機能は非常に便利です。
シフト管理・勤務形態への対応
飲食店や小売業、医療・介護現場など、シフト制を採用している職場において、シフト管理機能は業務負担を軽減可能です。
従業員からスマートフォンで希望シフトを提出してもらい、それを画面上でパズルのように組み合わせてシフト表を作成できるため、転記ミスや調整の手間が大幅に減ります。
また、フレックスタイム制や変形労働時間制といった複雑な勤務形態にも対応可能です。「人手が足りない時間帯が一目でわかる」「人件費の概算を見ながらシフトを組める」といった機能を持つツールもあり、適正な人員配置ができます。
これにより、単なる時間の記録だけでなく、店舗運営や組織マネジメントを円滑にするための機能として、多くの企業で役立つでしょう。
有給・休暇管理
2019年4月から、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して「年5日の有給休暇取得」が企業に義務付けられました。これに対応するため、勤怠管理ツールには有給休暇の取得状況を可視化する機能が充実しています。
システム上で有給休暇の残日数や付与日を自動管理し、取得義務の日数に達していない従業員がいれば、自動的にメールなどで取得を促すことが可能です。
また、従業員は自分のスマートフォンからいつでも自分の有給残日数を確認できるため、「あと何日休めるか」を総務に問い合わせる必要もなくなります。
休暇の申請・承認もシステム上で完結できるため、紙の届出書を回覧する手間がなくなり、スムーズに有給消化が進むでしょう。
勤怠管理ツールを導入するメリット

勤怠管理ツールを導入することは、単に事務作業をデジタル化するだけにとどまらず、企業の経営課題を解決する強力な手段となります。
手書きのタイムカードやExcelでの管理を続けていると、毎月の集計作業に膨大な時間がかかるだけでなく、計算ミスによる給与の過不足や、知らないうちに法律違反を犯してしまうリスクも抱えることになるでしょう。
勤怠管理業務の効率化・工数削減
最大のメリットは、毎月の締め作業にかかる時間と労力を削減できることです。
Excelなどの表計算ソフトで管理している場合、タイムカードからの転記作業、複雑な計算式のメンテナンス、入力ミスのダブルチェックなどに、毎月何日も費やしている担当者は少なくありません。
勤怠管理ツールなら、打刻データが自動で集計されるため、転記や手計算のプロセスそのものが不要になります。また、CSV連携機能を使えば、勤怠データをワンクリックで給与計算ソフトに取り込むことも可能です。
これにより、これまで数日かかっていた作業が数時間に短縮され、空いた時間を採用活動や社員研修などの「人がやるべきコア業務」に充てられるようになります。
勤怠ミス・労務リスクの防止
企業を守るための「守りのメリット」として、労務リスクの防止が挙げられます。手作業での集計は、どうしてもヒューマンエラーが避けられず、残業代の未払いや過払いを引き起こす原因です。
これらは従業員とのトラブルに発展するだけでなく、企業の社会的信用を損ないかねません。そこで、ツールを導入すれば、深夜労働や休日出勤の割増賃金も設定通りに正確に計算されます。
さらに、働き方改革関連法で厳格化された「時間外労働の上限規制」や「36協定」の遵守状況もシステムが自動でチェックしてくれます。
「うっかり法律違反をしてしまった」という事態を未然に防ぎ、コンプライアンス体制を強化できる点は、経営者にとって大きな安心材料となるでしょう。
リアルタイムで状況を把握できる
管理者視点で特に価値が高いのが、従業員の働き方を「リアルタイム」で可視化できる点です。
紙のタイムカードの場合、月末に回収するまで「誰がどれくらい残業しているか」を正確に把握するのは難しいでしょう。そのため、気づいたときには既に長時間労働が発生してしまっているケースも少なくありません。
クラウド型の勤怠管理ツールであれば、管理画面を開くだけで、その時点での労働時間や残業状況が一目でわかります。「Aさんの残業が増えているから、業務をBさんに分担しよう」といった具合に、月の途中から業務調整や人員配置の対策を打つことが可能です。
その結果、従業員の健康を守りながら、組織全体の生産性をコントロールしやすくなります。
勤怠管理ツールのデメリット・注意点

業務効率化に大きく貢献する勤怠管理ツールですが、導入すれば自動的にすべてが解決するわけではありません。
実際に「導入してみたけれど、現場から不満が出て元のタイムカードに戻した」「設定が難しくて運用に乗らなかった」といった失敗事例も少なからず存在します。
ツール選びで後悔しないためには、メリットだけでなく、導入に伴うハードルや注意点もしっかりと理解しておくことが大切です。
初期設定や運用ルール作りが必要
最も躓きやすいポイントが、導入時の初期設定です。ツールを使い始めるには、従業員情報の登録はもちろん、自社の就業規則をシステム上の設定に落とし込む作業が必要です。
「変形労働制の設定はどうする?」「端数処理のルールは?」など、細かい設定項目が多く、ここで挫折して導入失敗に終わるケースも珍しくありません。
また、ツールに合わせて社内ルールを見直す必要が出ることもあります。 これまでの曖昧だった運用を正す良い機会でもありますが、担当者には一時的に大きな負荷がかかるかもしれません。
設定代行サービスを利用したり、サポート体制が手厚いベンダーを選んだりするなどの対策を検討しておきましょう。
現場に定着しないケースがある
管理部門にとっては便利なツールでも、実際に打刻を行う現場の従業員にとって使いづらければ、運用は定着しません。「操作画面が複雑でわかりにくい」「ログインの手間がかかる」といったストレスがあると、打刻忘れが頻発したり、現場から不満の声が上がったりする原因になります。
特に、ITツールやデジタル機器の操作に不慣れな従業員が多い職場や、高齢のスタッフが多い現場では注意が必要です。そのため、導入前には必ずトライアルを利用し、実際に使う従業員に触ってもらうことをおすすめします。
「マニュアルを見なくても直感的に操作できるか」は、機能の多さ以上に重要な選定基準です。
自社の勤務形態に合わない場合がある
勤怠管理ツールは万能に見えますが、すべての勤務形態に完璧に対応できるわけではありません。
安価なツールや簡易的なシステムの場合、「1年単位の変形労働時間制に対応していない」「日に何度も出退勤を繰り返すシフトに対応できない」「独自の特殊な休暇ルールが設定できない」といった機能不足が後から発覚することがあります。
「安いから」「人気だから」という理由だけで選ぶと、自社の運用に合わず、結局Excelでの手計算が残ってしまうという本末転倒な結果になりかねません。
自社の就業規則や特殊なルールを洗い出し、それらがシステム上で再現できるかを事前にベンダーへ確認することが、ミスマッチを防ぐ鉄則です。
勤怠管理ツールの費用相場

勤怠管理ツールを導入する際、機能と同じくらい気になるのが「コスト」です。「高機能なシステムを入れたいけれど、予算は限られている」という悩みを持つ企業も多いでしょう。
現在は初期費用を抑えられるクラウド型が主流となっており、以前に比べて導入のハードルは格段に下がっています。とはいえ、従業員数や必要なオプションによって金額は変動するため、事前に相場を把握しておくことが重要です。
初期費用の目安
導入時にかかる「初期費用」は、ツールの種類によって異なるのが一般的です。クラウド型の場合、初期費用は「無料」とするサービスが増えています。
クラウド型はサーバー構築などが不要なため、契約してすぐに利用開始できる手軽さが魅力です。ただし、専任担当者による導入サポートや、初期設定代行を依頼する場合は、数万円〜数十万円の別途費用がかかることがあります。
また、ICカードリーダーや生体認証機器などの専用端末を設置する場合は、その機器購入費も必要です。一方、オンプレミス型の場合は、自社サーバーへのインストールが必要なため、数十万円〜数百万円規模の初期投資が必要になります。
月額費用の目安(人数別)
クラウド型の勤怠管理ツールは、利用人数に応じて料金が決まる「従量課金制」が基本です。一般的な相場としては、従業員1人あたり「月額200円〜500円」程度となっています。
なお、従業員数ごとの月額コストの目安は以下の通りです。
・従業員10名の場合:月額 2,000円 〜 5,000円程度
※サービスによっては、最低利用料金(例:月額3,000円〜)が設定されている場合があるため、少人数の場合は注意が必要です。
・従業員50名の場合:月額 10,000円 〜 25,000円程度
・従業員100名の場合:月額 20,000円 〜 50,000円程度
このほか、打刻機能だけでなく「給与計算連携」や「シフト管理」「経費精算」などのオプション機能を追加すると、1人あたりの単価がプラスされるのが一般的です。
無料ツールを選ぶ際の注意点
「できるだけコストをかけたくない」と考え、完全無料のツールやフリープランを検討する場合もあるでしょう。確かにコストゼロは魅力的ですが、「無料=万能ではない」という点には十分な注意が必要です。
多くの無料プランには、人数の上限やデータの保存期間、機能の制限、サポートが受けられないといった制限が設けられている場合がほとんどです。
特にデータ保存期間が短いと、労働基準法で定められた「出勤簿の3年(当面の間は5年)保存義務」に対応できなくなるリスクがあります。
「お試し」として利用するには問題ありませんが、長期的な運用を考えるなら、将来的に有料プランへの切り替えを想定しておくのが賢明です。
失敗しない勤怠管理ツールの選び方

市場には数多くの勤怠管理ツールが存在するため、「どれを選べばいいかわからない」と迷ってしまう担当者も多いです。しかし、人気のあるツールが、必ずしも自社にとっての正解とは限りません。
重要なのは「自社の運用にフィットするかどうか」です。導入後に「やっぱり使えない」と後悔しないために、ツール選定時に必ず確認すべき3つのポイントを解説します。
自社の勤務形態・就業規則を整理する
ツールを探し始める前に最初に行うべきなのは、自社の就業規則と勤務実態の棚卸しです。ここをおろそかにすると、いざ設定する段階で「このツールの仕様では、うちのルールを再現できない」という致命的なミスマッチが起こります。
具体的には、「1年単位の変形労働時間制に対応しているか」「残業時間の端数処理は法的かつ自社規定通りに設定できるか」「複数回の休憩打刻は可能か」などを確認しましょう。ツールに合わせて就業規則を変えるのは本末転倒です。
まずは自社の細かなルールをリストアップし、システム上で無理なく運用できるかの確認が欠かせません。
必要な機能と不要な機能を切り分ける
「大は小を兼ねる」と考え、機能が盛りだくさんな高額ツールを選んでしまうのは、よくある失敗パターンのひとつです。
機能が多すぎると、管理画面のメニューが複雑になり、担当者も従業員も使いこなせないオーバースペックの状態に陥ってしまいます。
例えば、全員がオフィス勤務でシフト制もない会社には、高度なシフト管理機能やGPS打刻は不要です。「絶対に必要な機能」と「あれば便利な機能」を分けましょう。
自社の課題解決に必要な機能だけに絞り込むことで、操作もシンプルになり、無駄なコストも削減できます。
操作性・サポート体制を確認する
機能要件を満たしていても、実際に使う従業員にとって「使いにくい」と感じるツールは定着しません。導入前には必ず「無料トライアル」を利用し、ITツールに不慣れな従業員でも直感的に打刻できるか、画面の見やすさを確認しましょう。
また、導入直後は設定や運用方法で不明点が出やすいので、「電話でのサポートが可能か」「チャットですぐに回答が得られるか」といったベンダーの支援体制も確認しておく必要があります。
特に、専任のシステム担当者がいない中小企業が運用を軌道に乗せるためには、手厚いサポートのあるツールを選ぶことが大事です。
まとめ|勤怠管理ツールは「自社に合うかどうか」で選ぶことが重要

ここまで、勤怠管理ツールの基本機能から種類、メリット・デメリット、そして選び方までを解説してきました。
まず整理しておきたいのが「勤怠管理」と「シフト管理」の違いについてです。 「勤怠管理」は従業員の労働時間を記録・集計するものですが、「シフト管理」は未来の人員配置を計画するものであり、両者は似ていますが異なります。
多くの勤怠管理ツールにも簡易的なシフト機能は備わっていますが、複雑な条件を組み合わせる作業には、専門的な機能が必要です。もし、シフト作成の負担軽減が最優先課題であれば、より高度な機能を持つ「シフト管理専用システム」を検討しましょう。
🔻シフト管理ツールについてはこちら
【2026年最新】シフト管理とは?課題を解決する効率化の方法とおすすめツール17選
最後に、勤怠管理ツールの導入を成功させるために最も大切なポイントを3つに絞って整理します。ツール選びは、単なるソフトの購入ではなく、会社の「働き方」を見直す大きなチャンスでもあります。
以下のポイントを心に留め、自社に最適なツール選びを進めてください。
勤怠管理ツールは業務効率化と労務リスク対策の両立が目的
勤怠管理ツールを導入する真の目的は、「集計業務の効率化」と「労務リスクへの対策」を同時に実現することです。手作業による管理は、担当者の時間を奪うだけでなく、計算ミスや知らないうちに法律違反をしていたということにもなりかねません。
ツールは、こうしたヒューマンエラーをシステムで防ぎ、会社と従業員を守るための「盾」となります。「楽をするため」というよりも、「健全な経営体質を作るための投資」であると再定義すると、導入の意義がより明確です。
機能や価格よりも「勤務形態との相性」が失敗を防ぐ
失敗する企業によくあるのが、「機能が一番多いもの」や「とにかく安いもの」を選んでしまうケースです。しかし、どれほど高機能でも、自社の特殊なシフトや残業ルールに対応できなければ意味がありません。
重要なのは「多機能さ」ではなく「自社の勤務形態との相性」です。「変形労働制に対応しているか」「直行直帰の打刻はスムーズか」など、自社の運用がそのままシステム上で再現できるかを最優先に考えましょう。
「評判が良いから」ではなく、「自社のルールにフィットするか」を基準にすることが、後悔しないための選択方法です。
まずは必要条件を整理し、比較・トライアルから始めよう
まずは、社内の就業規則を確認し、「譲れない機能」と「あったら良い機能」を書き出すことから始めましょう。
条件が整理できたら、気になったツールを2〜3社ピックアップし、資料請求や無料トライアルを申し込んでみてください。実際に管理画面を触ってみると、使いやすさやサポートの質が肌感覚でわかります。
いきなり全社に導入せず、一部の部署でテスト運用するなど、小さな運用から始めてみてはいかがでしょうか。










