深夜勤務は体に負担がかかることは、深夜勤務をしたことがない人でも、容易に想像はできるでしょう。本来体を休めるべき深夜の時間帯に活動的に働き、活動がしやすい日中に休みをとる必要があり、そのような生活を継続させることは想像以上に疲労を貯めることになります。今回はそんな深夜勤務の問題や、身体への負担を和らげる正循環といわれるシフト表作成の考え方について解説をします。
深夜勤務のデメリット
深夜勤務というのは、交感神経の活動が優位な昼間に睡眠をとり、副交感神経の活動が活発な夜間に労働するという、身体にとって非常に負担がかかる生活をすることになります。
人間を含む多くの生物には、一般的に体内時計と言われている概日リズム(がいじつリズム、サーカディアン・リズム)というものがあり、約24時間~25時間の周期を本来持っていますが、深夜勤務はその周期を乱すような不自然な活動となります。
このような生活を繰り返すことは、心身ともに深夜勤務者に負担がかかってしまいます。
寝つきが悪くなり、睡眠が浅くなりがちになる。それにより疲労回復に時間がかかってしまう。場合によっては、心身に不調をきたしてしまうことに繋がるかもしれません。
本来は深夜勤務というのはない方が良いのですが、社会インフラを守るような職種、職場では避けては通れません。深夜勤務を実施するにしても、できる限り身体に負担がかからないような働き方が求められています。
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正循環勤務・逆循環勤務とは?
そんな身体に負担がかかる深夜勤務について、負担をなるべく減らすような取り組みが各現場で行われていますが、その中の一つの考え方に正循環勤務というものがあります。
日本看護協会も、勤務表作成者のガイドラインとして、この正循環勤務を推奨しています。
▼公益財団法人 日本看護協会 “看護職の働き方改革の推進”
「ガイドライン」勤務表作成者のためのQ&A
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/yakinkotai/guideline/faq/index.html
正循環勤務とは、具体的にどういうものかというと、日々のシフトの割り当てについて、勤務開始時間を後ろにずらしていくことをルールとするというものです。
例えば、日勤(8~16時)、準夜勤(16~24時)、深夜勤(0~8時)の3交代勤務を行っている職場があるとします。
正循環勤務を行うということは、日勤(勤務開始時間8時)→準夜勤(勤務開始時間16時)の割り当てや深夜勤(勤務開始時間0時)→休み→日勤(勤務開始時間8時)の割り当てが当てはまります。
正循環勤務とは反対の勤務開始時間が前にずれていく逆循環勤務では、日勤(勤務開始時間8時)→深夜勤(勤務開始時間0時)の割り当てや、準夜勤(勤務開始時間16時)→日勤(勤務開始時間8時)を割り当てることになります。
正循環勤務が推奨されている理由
どうして正循環勤務が推奨されているのでしょうか?
人間の概日リズム(サーカディアン・リズム)というのは25時間周期と言われており、1日(24時間)ごとに1時間ずつ時計回りで後ろにずれていく特性があります。
そのため人間は、いつもより遅く眠ることは簡単ですが、早く眠ることは難しいとされています。
勤務については、前日より早く起きて勤務する逆循環よりも、前日より遅く起きて勤務ができる正循環の方が身体に優しいことが、正循環勤務が推奨されている理由です。
勤務時間中に睡魔に襲われたり、集中できなくなったりするという事態も防ぐことが期待されています。
正循環勤務のメリット
正循環勤務のメリットとしては、身体に優しい勤務であるため、健康的な生活が送れるということが第一に挙げられます。
人によっては、逆循環勤務よりも正循環勤務の方が、連続した休み、連続した休息時間が減るように感じるため、損をした気分になる人もいるかもしれません。
しかしながら、身体の負担を減らした勤務ということは、休日をリフレッシュした状態で迎えることができるため、より休日を有意義に、活動的に過ごせるようになります。
また日々の業務においても、集中力を維持しやすくなるため、ミスの防止や生産性の低下を防ぐことが期待できます。
深夜勤務で注意すべき点
深夜勤務については、正循環のルールだけ守れていれば良いわけではありません。他にも留意した方がよい点がいくつかあります。
そもそも深夜勤務をさせるべきスタッフか
深夜勤務は身体に負担がかかるものです。スタッフの体調に問題を抱えていないかどうかは確認をする必要があります。
もし持病を抱えているスタッフの場合、そもそも深夜勤はさせるべきではない可能性があります。
深夜勤務は短く、回数は少なく、間隔は長く
深夜勤務の勤務時間はできる限り短くした方が良いです。そして割り当てる回数も少ない方が良いです。また、連続した深夜勤務や勤務間隔が短い深夜勤務も、身体に負担がかかってしまいます。
深夜勤務の時間、回数、間隔は、見直せるものであれば、見直した方が良いでしょう。
深夜勤務の環境を改善させる
深夜勤務の職場環境を改善することができないかという観点でも、検討をした方が良いです。
例えば、深夜勤務中に仮眠が取れるような環境を作ることが考えられます。仮眠の時間を十分にとれるシフトにすることや、仮眠をするためのベッドを設置するなどが対策としてあるでしょう。
スタッフの数を増やす、設備投資をするなど、費用面での負担も必要になるかもしれませんが、深夜勤務の負担を減らすためにも検討してみましょう。
健康的に働いてもらいたいことを伝える
先ほど述べたように、正循環勤務を採用した場合、連続した休みや休息が取りづらいと考えるスタッフもいると思います。
また、深夜勤務による手当を支給している場合、深夜勤務が減ることが収入減につながるため、抵抗するスタッフがいるかもしれません。
どうして深夜勤務についての改善が必要であるのかについて、明確にスタッフに伝える必要があります。
スタッフの健康を第一に考え、長期的に働いてもらう職場環境を整備することは、スタッフにとっても組織にとっても非常に重要であることを、スタッフにも伝えるようにしましょう。
まとめ
今回は深夜勤務に関して、正循環勤務を中心に解説をしました。正循環勤務の考え方は、決して夜勤がある職場だけが知っておいた方が良いという考え方ではありません。
JRシステムが提供している「勤務シフト作成お助けマン」をご利用いただいているお客様の中でも、夜勤はありませんが、早番→中番→遅番というような正循環の勤務並びのルールを原則として、スタッフに負担をかけないようなシフト表になるよう心掛けている企業があります。
スタッフの健康を守った上で、効率良く働けるような職場環境を構築したいというのは、業種関係なく思っていることでしょう。
スタッフにとって働きやすい勤務というものはどういうものなのかを、改めて考えた上で、シフト表を作成してみてはいかがでしょうか?
JRシステムが提供する「勤務シフト作成お助けマン」は、日々の必要人数を考慮したうえで、勤務時間やスタッフの休み希望、勤務回数などの公平性を意識したシフトを自動作成することができます。
「勤務シフト作成お助けマン」には、早番・遅番・夜勤等の「1日1記号を割り当てるシフト表」を作成することが出来る「勤務シフト作成お助けマンDay」と、 10:00~17:30等の「時問を割り当てるシフト表」を作成する「勤務シフト作成お助けマンTime」があります。作成したいシフト表に合わせてサービスを選んでいただくことが可能です。
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