接客を伴う販売の仕事の中でも、アパレルショップの業務は華やかなイメージを持つ人も少なくありません。アパレルショップはアルバイト・非正規雇用で働くという従業員も多く、多様な勤務体系があります。
この記事では、アパレルショップでの働き方・仕事内容や、シフト・オールシフトなどアパレルショップと関係の深い点についても解説します。
アパレル販売員の仕事とは
アパレル販売員は、一般にアパレルショップで来店した顧客に対して商品の説明をしたり、商品の提案をしたりする姿を思い浮かべるケースが多いでしょう。
まずは、アパレル販売員の仕事内容などについて、以下の2点を解説します。
- ・仕事内容
・アルバイトや派遣など非正規が多い
それぞれ具体的に見ていきましょう。
仕事内容
アパレルショップで働くアパレル販売員の仕事内容として代表的なのが接客です。単にレジで会計を行うだけではなく、ショップを訪れた顧客に必要に応じて声を掛けて商品の説明をしたり、場合によってはコーディネートの提案やトレンドカラー・アイテムを紹介したりするなどの仕事もあります。
また、接客だけではなく、商品を店舗でディスプレイする、在庫管理をするなど商品管理も業務のひとつです。さらに、来店促進やSNSによる情報発信なども各アパレル販売員の仕事とされることもあります。
これらのアパレル販売員の仕事は、必ずしも学歴を必要とはしませんが、顧客・販売員同士のコミュニケーションが必要となる仕事が多いといえます。
アルバイトや派遣など非正規が多い
アパレル販売員は、パートタイマーや学生アルバイト、派遣など、正社員ではなく非正規での働き方が多いという特徴があります。
アパレル販売員に非正規が多い理由には、人員不足という点もありますが、ほかにも非正規が積極的に採用される理由があります。以下の項目で具体的に解説します。
アパレルショップの勤務時間と働き方
アパレルショップで働くアパレル販売員の勤務時間や働き方については、アパレルショップという業界の特徴を反映したものといえます。
以下には、アパレルショップの販売員における働き方の特徴について、次の2点を解説します。
- ・固定制よりシフト制の勤務が多い
・オールシフトという働き方
それぞれ具体的に見ていきましょう。
固定制よりシフト制の勤務が多い
アパレルショップ販売員の働き方には、シフト制と固定制という大きな分類があります。シフト制は、働く時間や曜日を固定することなく、働いているお店との相談のうえで働く時間や日程をシフトとして決めるという働き方です。固定制とは、シフト制のように変動することなく、一定の時間・曜日で仕事をする働き方のことです。
アパレル販売員の働き方としては、基本的に固定制よりもシフト制を取り入れている店舗が多いといえます。その理由は、アパレルショップは開店から閉店までの営業時間が長く、1日の営業時間すべてを1人の従業員が通して仕事をすることが難しいということが理由のひとつです。
また、アルバイトや派遣など非正規で働く従業員が多いことも理由のひとつといえるでしょう。そのため、1日の中でいくつかの時間帯に分け、それぞれの時間帯に働く人を決めるというシフト制の方が実情に合っているケースが多いのです。
オールシフトという働き方
アパレル販売員の店舗での働き方は「早番」「遅番」「オールシフト」という3つに分かれることが多いといえます。
早番は開店前の準備やレジへの入金などの業務が含まれることが多く、遅番はレジ締めや日報の記入、閉店作業などを含むケースが多いといえます。
そして「中番」ともいわれるオールシフトとは、営業時間を通して業務を行うというシフト形態のことです。オールシフトは長い労働時間になるため、セールなどの繁忙期に取り入れられることが多いほか、店長など責任のある立場の社員がこのシフトに該当するケースが多いといえるでしょう。
シフト制を取り入れるメリット
アパレルショップは、すでにシフト制を取り入れている店舗が多いといえます。多くの店舗がシフト制を取り入れているということは、シフト制にするメリットがあるということを意味しています。
では、アパレルショップがシフト制を取り入れるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。以下に、シフト制を取り入れるメリットについて次のような点を解説します。
- ・従業員の生活に合わせて働いてもらえる
・繁忙期や閑散期でも柔軟に対応できる
それぞれ具体的に見ていきましょう。
従業員の生活にあわせて働いてもらえる
アパレルショップでシフト制を取り入れるメリットのひとつに、まずは「従業員の生活にあわせて働いてもらえる」という点が挙げられます。
家庭の事情や多様な働き方をしている従業員には、それぞれ長時間働くことが難しいケースがあります。その場合でも、シフト制であれば労働時間を細かく区分して、都合に合わせて働いてもらうことが可能です。
アルバイトとしてアパレル販売員の仕事に従事する学生や、家庭のある主婦などでも戦力として働いてもらえるという点は、シフト制のメリットのひとつであるといえます。
繁忙期や閑散期でも柔軟に対応できる
シフト制を取り入れるメリットには、シフトの柔軟性を高められるということもあります。
固定制の場合には、閑散期でも人件費が固定となってしまいますが、シフト制の場合には閑散期に出勤人数を調整して、人件費を抑制し、繁忙期には多くの従業員に出勤してもらうなど柔軟な対応ができます。
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シフト制の課題
シフト制には、働く側にも店舗側にも柔軟性を高められるというメリットがあります。しかしその一方で、シフト制には課題もあります。
そこで、シフト制の課題について、以下のようなポイントを解説します。
- ・シフト作成の手間
・働く分量が偏る場合がある
・欠員が出る日がある
それぞれ具体的に見ていきましょう。
シフト作成の手間
シフト制は、柔軟に出勤人数を調整できる反面、シフトを店長やシフト担当が調整しなければならないという手間がかかります。
学生アルバイトが多い店舗では、テスト時期などに人手が不足するなど、それぞれの事情に合わせてシフトを作成するという対応が必要になるケースもあるでしょう。
働く分量が偏る場合がある
シフト制では、固定制と比べて労働時間が短くなる場合があります。労働時間が短いことで、短時間しか働けない人でも戦力として働いてもらえるメリットがあります。
しかしその反面、たくさんシフトに入っている人とそうでない人との間でスキルに差がついてしまうケースがあることに注意が必要です。
欠員が出る日がある
シフトの調整を行ううえで注意が必要な点として「誰もシフトに入れない日がある可能性」についても考えておく必要があります。
他の従業員との調整が不足すると、本来必要な人手が確保できない、欠員が出る日があるなどの点に注意しておきましょう。
シフトを管理するポイント
アパレルショップでシフト制を取り入れる場合には、適切なシフト管理が重要となります。以下、シフトを適切に管理するためのポイントについて、次の点を解説します。
- ・早めに行う
・欠員が出た場合の体制を考える
・複数店舗を管理する
・短期間労働を募集する
それぞれ具体的に見ていきましょう。
早めに行う
シフト制を適切に運用するためには、シフトの希望を早めに提出してもらうことが重要です。
翌月のシフト調整に取り掛かる時期が早いほど、店舗側はヘルプ体制や臨時の従業員雇用などで人員確保をしやすくなるというメリットがあります。
欠員が出た場合の体制を考える
従業員のシフト希望をとりまとめた結果、欠員が出てしまうことは珍しくありません。このような場合に、人手不足の状態でそのまま店舗運営を続けてしまうと、欠員が出ているときに出勤している従業員への負担が大きくなります。
欠員が出た場合にどのように人手を確保するのかという体制をあらかじめ考えておくことが重要です。
複数店舗を管理する
人員不足が発生している場合には、他店舗からヘルプの人員を確保するということも有効な対策です。
他店舗から人員を確保するためには、他店舗のシフトも合わせて管理することが必要でしょう。複数店舗を管理するようになれば、必要に応じたシフト調整にも自由度が高くなります。
短期間労働を募集する
セール時期など、アパレルショップの繁忙期だけという期間限定の従業員を募集するという方法も、シフトを適切に運用する際に有効な手段です。
既存の従業員では充分な人員が確保できないという場合には、繁忙期など必要に応じて短期間労働を募集する方法もよいでしょう。
まとめ
この記事では、アパレル業界における従業員のシフトや働き方について解説しました。アパレル業界では、柔軟性が高いというメリットからシフト制が採用されるケースが多いといえますが、シフト制にも課題があります。シフト作成担当や店長は、シフト制において想定される課題を事前によく検討し、人員不足を招かないようシフトを運用していくなどの工夫が必要となるでしょう。
とはいえ、シフトを適切に管理するためのポイントは多岐にわたり、特にシフト制でも早番・遅番・オールシフトとが混在することなどから、すべてのポイントを完璧に考慮してシフト作成を行うことは困難です。シフトの管理には、エクセルやカレンダーアプリなどを導入している店舗もあるでしょう。しかし、システムの柔軟性が乏しいこれらのツールでは、シフト作成のスピードアップは難しいものです。
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