24時間営業のコンビニでシフトを作成する場合、すべての時間帯において必要な人数の従業員を確保しなければなりません。しかし、少ない人数で運営しているコンビニでは欠員が発生しやすい状況になるため、シフトの調整作業に追われることが多くなります。
シフトを作成する際には、店舗の運営中に発生しやすい問題を事前に洗い出し、有効な対策を講じることが大切です。
この記事では、コンビニの運営において人手不足に陥らないための人材管理のポイントや、スムーズなシフト作成のコツを解説します。
- シフト管理で抱えがちな3つの悩み
1. 早朝・夜間の人手が足りない
2. 急に欠員が出て困る
3. 希望通りのシフトを組みづらい - 人手不足を解消するために必要な人材管理のポイント
1. 従業員とのコミュニケーションを普段から大切にする
2. 採用時に勤務条件をよく擦り合わせておく
3. お店を任せられる従業員を育てていく - コンビニのシフト 組み方のポイントは?
店舗の状況に応じて時間帯の分け方を変える
それぞれの時間帯の混み具合を把握する
店舗の状況に応じて臨機応変な対応も必要
自動化できるシステムを導入する - まとめ
シフト管理で抱えがちな 3 つの悩み
少子高齢化による労働力人口の減少は全国的に進行しており、多くの業種で人手不足が問題となっています。それはコンビニ業界でも同様であり、24時間営業のシフト管理で頭を悩ませるケースは少なくありません。
シフトを効率的に仕上げるためには、コンビニの店長がシフト管理で抱えやすい悩みについてあらかじめ整理することが前提となります。主な悩みとしては下記の3つがあげられます。
1. 早朝・夜間の人手が足りない
24時間営業のコンビニが抱える課題の一つに、慢性的な人手不足があります。日中や夕方の時間帯は従業員を募集すると応募者が集まりやすい一方で、早朝や夜間の従業員は募集をかけても集まりにくい状況となっています。
早朝や夜間の従業員が不足する原因としては、学生や主婦、もしくは主夫が出勤しづらい時間帯であることと関連があります。
早朝や夜間の人手不足を解消する対策は、これらの時間帯の時給を上げることが効果的です。しかし、時給を上げて従業員を募集しても、そもそも人口が少ない地域では応募者がなかなか集まらず、思うように効果が出ないこともあります。
2. 急に欠員が出て困る
シフトを組んだ後で、シフト変更の申し出があることは珍しくありません。従業員の具合が悪くなったり、従業員の子どもが発熱したりして、急に出勤できなくなる場合があるからです。そうしたとき、店長自らが出勤してシフトを埋めることはできるものの、従業員が急に休むたびに出勤し続けていると、店長自身の疲労がたまってしまいます。そのため、店長が出勤してシフトを埋めることは人手不足の抜本的な解決にはつながりません。
欠員が出た場合の対策としては、当日のシフトに入っているほかの人に残業や早出をお願いしたり、近隣に住んでいる従業員に急きょ出勤をお願いしたりする方法もあります。ただし、扶養の範囲内で働く人や外国人留学生などは、1週間あたりの勤務時間が制限されている点に注意が必要です。
定められた勤務時間を超えないようにするためには、従業員の勤務時間の上限を確認する作業が必要となります。しかし、欠員が出るたびにそのような作業を行っていると非常に手間がかかり、他の作業が進まなくなる原因にもなりかねません。
3. 希望通りのシフトを組みづらい
コンビニの店長は、従業員から休日の要望を受けることがあります。働きやすい環境とするためには、個々の従業員の要望を反映することが理想的といえますが、すべての従業員の要望を盛り込んでシフトを作成することは困難といえます。
例えば、特定の日に休日希望が集中した場合は、すべての従業員の要望を受け入れると人手が足りなくなってしまうため、顧客に迷惑をかけることにもなりかねません。また、特定の従業員の要望を叶えるために、ほかの従業員に連勤や長時間勤務をお願いしてしまうと、負担をかけることにもなります。場合によっては職場の人間関係が悪化する原因にもつながってしまいます。
逆に、シフトの希望がなかなか通らない状態が続くと、従業員のモチベーション低下や離職につながることもあるので注意が必要です。人手不足の状態であるにもかかわらず、追い打ちをかけるように従業員が辞めてしまうと、シフト管理がますます難しくなり、店舗の運営が困難になってしまいます。
人手不足を解消するために必要な人材管理のポイント
シフト管理で生じやすい悩みを解消するには、日頃から人材管理に気を配る必要があります。特に気をつけておきたい人材管理のポイントについて解説します。
1. 従業員とのコミュニケーションを普段から大切にする
急な欠員が出た際、ほかの従業員に手助けしてもらうには、日頃から円滑なコミュニケーションを取っておく必要があります。困ったときだけ従業員にお願いするのではなく、普段からコミュニケーションを取ることによって従業員と信頼関係を築いておくことが大切です。
何気ない会話のやりとりであっても、従業員がどのような不満を抱えているかを把握できるほか、従業員のメンタルケアにもつながります。
2. 採用時に勤務条件をよく擦り合わせておく
店舗を運営するための人員が確保できているにもかかわらず、思うようにシフトを組めないときは、従業員との間で勤務条件について「認識のズレ」が生じている可能性があります。
例えば、店長は、土日や祝日も働いてくれるだろうという思い込みを持ちながら「週に4日はシフトに入ってほしい」と従業員に伝えたとします。しかし、従業員は「平日の4日間だけシフトに入っても問題がない」と考えてしまうこともあり得ます。その後、店長が従業員に対して「平日だけでなく、土日や祝日もシフトに入ってほしい」と伝えると、従業員としては、採用時の説明とその後の対応が違うと感じて不満を抱くかもしれません。
このような問題が起きないようにするためには「土日や祝日も働いてもらいたい」「週に4日はシフトに入ってほしい」など、採用面接時に希望を明確に伝えておくことが大切です。また、求人広告を出している場合は定期的に見直して、求人広告の内容と実際の採用条件にズレが生じないように気をつけておきましょう。
3. お店を任せられる従業員を育てていく
コンビニの業務は多岐にわたるため、管理業務を含めてすべての業務を店長だけで対応しようとすると困難を極めます。そのため、店舗の業務のうち、従業員に任せられるものは任せることが重要となります。信頼できる従業員には、店長の代理として責任ある業務を任せられるように教育することも大切です。
店長が店舗にいない日があっても、従業員だけで店舗を運営できるようになれば店長の負担は軽減します。また、従業員が店長に現場の意見を直接伝えるようになることも見込まれるため、円滑な店舗の運営につなげられます。
コンビニのシフト 組み方のポイントは?
先述した通り、コンビニは24時間営業であるため、すべての時間帯に必要なスタッフの数を確保しなければなりません。また、混雑が予想される時間帯はスタッフを多めに確保しておくことも必要となります。
ここでは、コンビニのシフトを作成する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
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店舗の状況に応じて時間帯の分け方を変える
コンビニでシフトを作成する場合は、1日を「早朝」「日中」「夕方」「深夜」の4つに分けることが基本となります。具体的な労働時間の例は下記の通りです。
勤務時間帯 | |
早朝 | 6:00~9:00 |
日中 | 9:00~17:00 |
夕方 | 17:00~22:00 |
深夜 | 22:00~6:00 |
それぞれの時間帯の混み具合を把握する
コンビニのシフトを作成する前に押さえておきたい点は、それぞれの時間帯の混み具合を把握しておくことです。例えば、駅前のコンビニなど、通勤や通学する人の通り道にあたるコンビニは早朝や夕方に混雑しやすくなります。
そのほか、24時間稼働している工場が多い地域では、夜勤の終業時間が早朝にあたるため、夜勤明けの労働者が早朝の時間帯にコンビニに立ち寄って買い物をすることが多いです。また、深夜のコンビニは基本的に来店者の数が少なめですが、繁華街に立地しているコンビニは深夜でも人通りが多いため、深夜から明け方にかけて多くの顧客が来店します。
このように、コンビニは立地条件によって来店者数が変化するだけでなく、混雑する時間帯も異なります。顧客にとって利便性が高いと感じられるコンビニ経営をするためには、店長自身が日頃から店内を観察して混雑しやすい時間帯を把握することがポイントです。それにより、客数が増えると見込まれる時間帯に従業員を多めに配置できるようになります。
店舗の状況に応じて臨機応変な対応も必要
コンビニを経営していて起こり得ることとしては、スタッフが急な用事などで休まなければならず、特定の時間帯のスタッフが不足してしまうことです。そのような場合は、余裕のあるスタッフに対して、普段の時間帯とは異なる時間帯のシフトに入ってもらって対応する方法もあります。
たとえば、早朝の時間帯に入っている人が日中のシフトに入ったり、深夜の時間帯に入っている人が夕方のシフトに入ったりするという方法です。シフト制の職場においては、スタッフを確保するために臨機応変な対応も必要です。
自動化できるシステムを導入する
シフトの作成がうまく進まない場合は、シフトの作成・管理方法を見直すことも重要です。
シフトの作成がうまく進まない原因としては、下記があげられます。
・Excelなどで毎月のシフトを作成している
・従業員の休日希望の取りまとめがなかなか進まない
・複数店舗のシフトを作成している
シフトの作成はExcelなどで行うことが多いですが、その場合はシフトを店長自身がすべて考えなければなりません。そのため、大変な時間と労力を要します。また、従業員から休日の希望を聞きたい場合、中には出勤回数が少ない従業員もいるため、従業員全員の休日の希望を取るために時間がかかることもあります。
しかも、Excelなどでシフトを作成していると、従業員との間でシフト作成に関する情報共有がしづらくなる点にも注意が必要です。さらに、複数の店舗を運営している場合は、各店舗間の労働状況を把握しづらくなるため、シフトの作成が難しくなってしまいます。
このような課題を克服するために、シフト表作成や管理を自動化できるシステムの導入を検討してみましょう。例えば、従業員自身がスマホを通じて希望するシフトを提出し、自動でシフト表を作成する仕組みを整えます。このような仕組みを導入することで、従業員との間でシフト作成に関する情報共有を行いやすくなるほか、管理者は調整作業だけを行えば済むようになります。
そのほか、完成したシフトも従業員と共有しやすくなるため、入力漏れや連絡漏れなどのミスを減らすことができます。また、シフトの情報を一元管理できるので他店舗の状況も把握しやすく、欠員が出た際などに応援を依頼しやすくなるといったメリットもあります。
シフト管理を「見える化」することで、従業員にとって不公平感が少ないシフトを組むことが可能になり、スムーズなシフト管理が実現できます
まとめ
コンビニのシフト管理では、急な欠員の対応に追われることが少なくありません。急なシフト調整にも素早く対応できるように、日頃から従業員とのコミュニケーションを重視し、勤務パターンを見直しましょう。
また、シフト管理の負担を減らすために自動化システムの導入を検討することも大切です。JRシステムが提供する「勤務シフト作成お助けマンTime」なら、シフト表の自動作成機能が標準機能に含まれており、低価格で導入できます。
シフト管理にかかる業務負担を軽減し、円滑な営業を実現するために、ぜひ活用してみましょう。